【拝啓 高杉晋作様
まず突然、文を書いたことをお詫び申し上げます。
この文を書いたのは他でもありません。
妹の永久の事です。
何かそちらにご迷惑をかけてないでしょうか?
嘘をつくのが下手で、涙もろくて、よく意地を張る妹です。
迷惑をかけてないかとても心配です。
取り得があるといったら料理とあの負けず嫌いの性格…。
そんな妹ですが…、わたしの大切な家族なのです。
永久が京に行くと言い出したとき、わたしは永久にきつい事を言ってしまいました。
我ながら馬鹿な事を言ってまったと後悔をしています。
それに、兄らしいことをあまりしてやれなかったと思っています。
だからと言って、今更永久にしてやれることなどありません。
なのでと言うと高杉様に申し訳ありませんが、この文と一緒に送りました万華鏡を永久に渡してほしいのです。
この万華鏡は、わたしが昔、はじめて永久に買ってあげたものです。
そして、ただ渡すのではなく高杉様から永久を見て、一人前になったと思ったら渡してもらえればと思っています。
最後に頼りない妹ですが、どうか永久をよろしくお願いします。
敬具
春風 龍一郎】

