それから一刻あと、香山さんと高杉さんは長州に向けて壬生浪士に感づかれぬようひっそりと屋敷を出た。






どうか、ご無事で……。



二人の後ろ姿を見ると、ただそう祈らずにはいられなかった。






私達、長州は昨日、御所に攻めいろうとした。
けど、結局何も出来ずにそのまま退却。



『これほど悔しい負けはないです…。』
桂さんはそう言って、長州へと帰って行った。





桂さんの言った言葉は、長州の人、全員思っている。






女の私だって悔しくてたまらない。