「だったら…今だけ……」



「え……?」



総司の消えかかりそうな声を聞いて、下げていた顔を上げる。



「今だけは…永久は親が病とかそうゆうのがない普通のの町娘で、俺はの壬生浪士じゃなくて普通の男じゃ...ダメか?」



総司はそう言うと私を強くけど、優しく抱きしめる





今だけは………長州の間者じゃない私で、彼は、壬生浪士じゃない男………。




そうなればいいのに………。
そしたら、なんのためらいも後ろめたさもなくいつでも会うことが出来るのに。



何度願ったか分からない私の小さな小さな願い。