蝶と蜘蛛2

紅「あらあ、紫!!降りてきたのお?」

紫「ええ。いい獲物はいたかしら?」

紅「まあひどいわあ、獲物なんて。どれもいまいちねえ」

紅とは蘭の一見以来距離が近くなった。

どうやら私が初めて執着したことがたまらなくうれしいらしい。

本当、おかしな女だ。

「これはこれは、紫様でございますか?」

声をかけられて振り向くとそこには背の高い男がいた。

紫「ええ。」

「私は流水というものでございます。以後お見知りおきを。」

紫「私、あなたには興味ないわ。ほかをあたってくださる?」

そういって前を向く。

紅が面白いものを見るようにこちらを見ている。

しかし、流水という男は下がろうとしない。

「それはそれは。でも私はあなたに興味があるのです。」

紫「勝手に興味を持たれても迷惑よ」

「では、私に興味を持たせて差し上げますよ」

そう言って私の手を握り口づけようとする。

ああ、メンドクサイ。

紫「触るな」

「え?」

紫「私に触るなといってのよ」

次の瞬間男が氷漬けになる。