ライトグリーン・スカイ

「ありえな」

「おー、もうそんな場所にいたのか」

聞き慣れた低い声。声のした方を見れば、お兄ちゃん達3人の姿。

凛ちゃんは私を見た途端に、何だか不機嫌そうな表情。

私が尋といて嫌だったように、凛ちゃんも2人と一緒で嫌だったのかな?

「おい、尋。聞いてくれ。この男ってば亀に食い入るようにずっと眺めてさ。面白かったぞ」

「お前もサメ見て興奮しただけじゃなくて、別の魚見て“旨そう”って言っていただろうが」

そこから始まる下らない言い合い。

その時尋が、“見たいものが見れて良かったね”とボソリと寂しそうに呟いたのを、私は聞き逃さなかった。

そういえばクエもマンボウもいなかった気がする。

そう考えると、お兄ちゃんと栄兄ちゃんは尋からすれば、

贅沢な言い合いをしているのかもしれない。