ライトグリーン・スカイ

「行こうか」

私が変な顔をしていたからなのか、尋は何も悟られないようにとそう促す。

珍しく少しだけ慌てた様子で。聞こえてしまった言葉は、聞いては駄目だったのだろうか?

言われるがままに次の場所へ来てみれば、多くの人は何かに急いでいるかのよう。

時計を見ればもうすぐ午後2時。2時から何があったかを考える。

「ママー、はやくはやく!イルカさんがはじまっちゃう」

親をせかす子供の声。“イルカさんが始まる”?

「……イルカショー?」

「兄さん達も来るかもね」

「行ってみよっか」

意見が合い、イルカショーの会場へと急ぎ足で向かった。

辿り着けば既に多くの人達がイルカの登場を心待ちに。

こんな大勢の中からお兄ちゃん達を見つけるのは、もはや奇跡に近い物だ。