自然の神秘と言うべきか。その姿に私は惚れてしまいそうになる。

天国なんて見た事はないけれど、もし天国があるならば此処がそうだと思う。

天国じゃなくても天国に続く光の道がある場所。

大袈裟かもしれないけれどその言葉が、この場所にはよく似合う。

「少し前に見つけてね。ほら、僕が生きていたら両方とも行くって言ったでしょ?」

そんな話もしたっけな。じゃあ此処が尋が私を連れていきたかった場所、なんだ。

確かに此処は尋が大好きそうな場所だ。私も大満足する。

若い人達は少なく、老夫婦がのんびりと手を取り合って歩いている姿が多い。

だから都合が良いらしいのか、突拍子もなく真剣な瞳で尋は言う。

「木葉。お願いがある。結婚して下さい」

……はい?今なんと仰いましたか、この人は。