ライトグリーン・スカイ

「目を閉じていて」

訳の分からぬままその言葉に従った。ブランコがガチャリと音を立てる。

きっと尋が降りた証拠。そして今は私の目の前にいるだろう。

目を閉じていても気配で何となく分かる。何だか本当に凄い近くにいるような気がする。

まさかキスとかするんじゃないでしょうね?したら殴ろう。そう決めた。

「もう良いよ。開けてごらん」

キスをされないで良かった。でも一体何をしたの?

……首回りが何か違和感を感じる。もしかして。首に何か付いている?

触って確かめて、そして胸辺りで光っているそれを手に取る。

「あの水族館で買ったやつだよ」

光っていたのは銀色の小さなイルカ。

尋の渡したかった物ってこのイルカのネックレスだったんだ。

眺めていると“本当はペンギンが良かったんだけどね”と尋は言った。