ライトグリーン・スカイ

「外に出ようか」

理由を聞けば“出来れば誰にも聞かれたくないから”と返って来る。

だったらさっきのベランダは何だったんだろう?下手したら丸聞こえなのに。

更にそれを聞けば今度は“朝だったから”と言う言葉。

朝なら誰もいないと思ったのだろう。

昼や夜と違い、嘘のように鎮まり返っているから。

夜も静かだと思う。でも尋からすれば夜はざわついているのだ。

本当に何処までも変わった人。その変わり者ぶりは一体何処から?

外へ出れば太陽はもう高い位置にあって、何時ものような焼けるような暑さがやって来る。

蝉もここぞとばかりに必死になって鳴き出す。耳が痛くなるほどに。

「本当に夏は良い季節だよね」

尋がそう一言。夏なんてただただ暑いだけの季節。私はどちらかと言えば苦手だ。