Side 若菜 確かに聞こえた。 『こっちへ来て』と。 男の人の寂しそうな声が聞こえたかと思うと、誰かに背中を押されてバランスを崩す。 そして、落ちていく。 「若菜っ」 私を呼ぶ声。 この声は目の前にいた日向のものではない。 この声は...... ドンッ