ブブブッ
ケータイのバイブが鳴り確認すると、噂の彼からのLINEだった。
マシンガントークをしていたゆっちゃんも、LINEの主が男の名前だったせいか、会話がピタリと止まった。
【 佐々木 隼人(ササキ ハヤト)】
机の上に置いてあったケータイを、思わずゆっちゃんから隠すようにバッと慌てて引き寄せる。
そんな私の行動からゆっちゃんは全てを把握したようで、満面の笑みを浮かべた。
「佐々木隼人くんって、噂の彼よね？」
「あ、いや…えっと……」
あんなに途切れもなく話をしていたのに、しっかり名前を見られていたみたい。
ゆっちゃん恐るべし……
私は観念して小さく頷くと、やっぱりねとさらににやにやし始める。
なんだか恥ずかしい。
というか、そんなことより一体隼人くんは、わざわざこんな時間にLINEをするなんて何の用があるのだろうか。
「早く内容確認しなさいよ」
ゆっちゃんもどうやら内容が気になるらしい。
いや、むしろゆっちゃんの方が気になってるような気がする。
私は緊張する手でケータイのパスロックを解除し、内容を確認した。
