ぐいっ…… 「へっ、ふぁああっ……」 不意に腕を掴まれ、引っ張られた。 バランスを崩した私は、そのまま彼の膝の上に倒れかかってしまった。 思考停止。 ……………? 私の膝に乗っけていた鞄は、ドスンと音を立てて地面に落ち、そして私の鼓動はいつにも増して早く動いていた。 「あ、悪いっ…寝ぼけてたみてぇ…」 ばつが悪そうに慌てて手を離した男の子は、苦笑いを浮かべていた。