* * * 『シィと出会ったあの日のこと、私は忘れないよ』 --えっ? 『あなたを失っても、あなたが残した証、大切にしているよ』 「どうかしましたか?」 ユキが私と不思議そうに見る。 『………』 ----一瞬、お母さんの声が聞こえた気がした。