いとしのくまこさん

「これ、黄色いクマじゃないですか。このベアシリーズ、集めてるんですよ」


「そう」


伊吹くんは目を輝かせながら、小さなクマの頭を指先で撫でている。


「……かわいいだなんて、やっぱり言えないわ」


「ようやく認めてくれましたか、クマのかわいさを」


「もうめんどくさい。そうだよ、クマだよ、クマ」


もう、だめだ。


くまより先に好きになりそうじゃないか。


心の奥にあいた穴をやわらかな毛並みで包み込んでくれたような、そんな気がした。