剛は、ジェティスの気配を感じる方向にひたすら走った。

「はあっ、はあっ、はあ……」

 もうやめろよ。

 俺をおまえの世界に引き込むな。

 俺は関係ない、おまえなんか知らない!

 小さな空き地に、黒い影が見える──近づくと、それは剛の方を向いた。

 青い目が、剛を確認し眼差しを険しくした。

「俺の波動を感じたのか、愚かだな。何故そのままにしない。わざわざ俺に関わりに来るな」

 荒い息を整えて、剛ははジェティスを睨み付けた。