殺した理由


あっ。

これじゃあ、まるで早く家に帰りたい子供のようではないか。
早く早く家に帰りたくて、「いつ家に着くの?」と執拗に聞いてくる子供ではないか。
駄々をこねている子供みたいではないか。
美希はそんなことを考えてしまい、顔を赤くした。
こんな自分は恥ずかしいと思ったのだろう。
(私はまだこんなにも子供だったのか・・・!)
美しい少女が背中をこちらの向けているためバレていないが、急にこちらを向かれたらどうしようか、と内心も焦っていた。
美希は相手がこちらを振り向かないようにと、心の中で祈った。

そんな時だ!

美しい少女が美希に話しかけてきた。
それは最悪な内容の話だ。
「ねぇ。美希ちゃんはさ、母親殺して嬉しい?清々しい気分?いい気分?達成した感じ?
ねぇ、どんな気分?」
美しい少女は一点の躊躇いもなく、先程と変わらず無邪気な声で話しかけてきた。
・・・いやもっと無邪気な声だ。
この上ない楽しそうで無邪気な声。
美希はそんな問いなど、無視したかった。
だけど、やはりそれは叶わないことであった。
美しい少女は横目で美希を睨むようにして見ていたから。
やはり、(恐ろしい少女だ。)


美希はポツポツとその時の状態とその時の気分を聞き取れない程の声の小ささで言った。
だが美しい少女は精密機械のように聞き取った。
「へぇ、そうなんだ。楽しかったんだ。嬉しかったんだ。快感だったんだねー」
美しい少女はRPGのゲームの感想を聞いてるように、楽しそうに聞き、楽しそうにその言葉を言った。
哀れみの様子もなく、怒っているような様子もなくただ楽しそうで無邪気だった。
美希は何故か心許ないという様子で俯いた。
何故、そうしたのかは分からないが。

そんな中―――・・・


「着いたよ。」