殺した理由

青少年が黙々と歩いている内に、倉庫みたいなものが建っていた。

周りは不気味な程に静かだった。

だが、青少年は怯えることもなく小屋に向かって歩いて行った。

青少年は扉の前に立ち、利津を起こさないように片腕だけで支えると、ドアノブを捻ると、ドアノブを押した。

ふっ・・・とストレートロングの金髪が風に乗せられ、なびいているのが一瞬だけ見えた。

この暗闇の中でその髪は闇夜に輝くような星のようであった。

しかし、青少年はそれを見慣れているのか、驚いたり、見とれる事は一切なかった。

「ただいま」

青少年はそう言うと中に入っていった。

「あ!お帰りなさい!」

元気よく青少年への返事が帰ってきた。

その声はすぐそこで話されていることではなく、少し離れているところで話しているとわかった。

推測で言えば、

さっき程のストレートロングの金髪と思われる子の声だ。

「あ!その人が吉木利津ー?」

金髪と思われる子は利津の名前を興味津々のように言った。

「ん、そう。てか、明かりぐらい点けろよ。」

「えー!でもさ!暗い方が好きなんだもん!」

金髪と思われる子は小さい子のように反抗し、足もバタつかせるような音を立てた。

だが、すぐその音は止んだ。

―――すると、金髪と思われた子が、いつの間にか青少年の前に立ち、利津の顔を覗き込んだ。

「イケメンさんじゃーん、てか、寝顔可愛いー」

金髪と思われた子は利津の顔に対して、賞賛をした。

「そんなの当たり前」とでも言うかのように、自慢顔で頷きながら、利津をそこら辺にあったソファーに優しく寝かせる。

その様子を見ていた金髪と思われた子は頬を膨らませて、不満そうに青少年にこう言った。

「何かさー、奏(かなで)さー、その人と私の扱いが違わなーい?差別だよ!!」

そんな言葉に対して、青少年―――奏は下らないとでも言うかのように冷静に答えた。

「”差別”じゃない、”区別”だ。」

そんな屁理屈(へりくつ)を言われた、金髪と思われた子は言う言葉をなくして黙り込んだ。