殺した理由

「えっとねー、今日はねー、かくれんぼがいいなー!」

一人の幼い少女が代表して、今日、遊ぶことを言った。

次は、鬼決めだ。

大抵、ジャンケンで鬼が決まる。

「じゃあ、行くよー?」

利津たちは、グーの状態で合図が来るまで、待つ。

そして、元気よく、幼い少女が元気よく、手を振った。

「最初は、グー!じゃんけんぽん!」

利津はチョキを出す。

他の幼い少年少女は、グーだった。

この子たちは、最初に決まって、グーを出す。

4、5回、ジャンケンをしてきて、わかった。

純粋だな、と利津は毎回思う。

(でも、この頃が一番良いのかもしれない。一番、楽しい時。)

ふと、そう思った。

自分も歳を重ねてきて、そう思えることが“やっと”出来たのかもしれない。

そんなことを思うと、この間まで何をやってきたのだろうか、と思えてくる。

「ねぇ!お兄ちゃん、どうしたのー?」

「え?」

どうやら、少し長く考え込んでしまったらしい。

「ごめん、ごめん。考え事してた」

と、苦笑いをした。

幼い少年少女は、心配そうな顔をしてくれている。

「大丈夫なの?」

一人の幼い少年が、本当に心配している声音で、話しかけてきた。

そんな幼い少年に、利津は安心させるよう微笑んでみせた。

「うん、大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとうね」

利津は幼い少年の、頭を優しく撫でてやった。

それは、たくさんの弟妹(ていまい)がいるようであった。

「んじゃ、かくれんぼしようか!」