殺した理由

11月17日。


静江と会ってから、2ヶ月が立った。

利津はこの生活に馴染んでいき、街の人とも話すことが少しだけ多くなってきた。

それに、よく笑うようになった。

この街のことをよく知るようになった。

そして、忘れなくなった。

過ごした分だけ。

・・・だが。

過ごし分だけ、忘れてしまった。

とても大事なことを。

だが、いつかは思い出す。

全て思い出す。

それが、遅いか早いだけのこと。

その悲しい出来事は、利津はもうすぐ思い出すことになる。








「ねぇ!お兄ちゃん!一緒に遊ぼー?」

幼い少年少女が利津に話しかけてきた。

利津は幼い少年少女の人気者であった。

物静かだが、優しく微笑みかけ、遊びにも取り組み、怪我をしたら手当もしたりした。

だから、奥様方に受けが良い。

重そうな物を持っていたら、手伝いをしてやり、愚痴をも聞いてやる。

子供と遊んだりした。

それに対して、苦にも感じていなかった。

誰かの役に立てれば、と思った。

例え、偽善者と言われても、誰かに役に立っていたかった。

そして、

今は公園で、ベンチで本を読んでいたところ、幼い少年少女に

遊びに誘われた。

利津は快く誘いに乗った。

「何して、遊ぼうか?」

と笑いかけた。

皆、あんな遊びがしたい、こんな遊びがしたい、と目を輝かせていた。

それと反面、争いをしてしまう恐れがあったが、

この幼い少年少女は、「順番」というものを知っている。

だから、「今日はこれね」と言って、直ぐ解決をする。