「私も…あとで…」

文子が小さな声でそう言うと西澤は、耳を文子の口元に近付けて「もう一度(笑)」と言ってニコニコする。

「私も…あとで、亮太さんをぎゅってしたいです。」

文子は、恥ずかしそうに顔を紅くしながら、西澤に話す。すると西澤は、また文子にくっついた。


「これなら、動け・・・ます・・・よね?」


西澤の手は、文子の腰元を軽く抱き締めていた。文子の心臓は、大きくドクンドクンと体中に響いていた。
それは西澤にとっても一緒で、ある意味、一か八かの賭けでもあった。


“もし、嫌われたら・・・”


そう思いながら文子にくっついていた西澤。でも、文子の言葉を聞いて、ほっとした西澤は、また文子にくっついたのだ。ちょっとした西澤の性格が出たのかもしれない。寂しがりのうさぎみたいな性格が・・・