文子の父親は、幼少期から海外転勤が多く、家にいないことが多かった。しかし、子供の行事などには必ず帰国して見学に来ていた。特に、３きょうだいで唯一の女の子だった文子への愛情がすごく“結婚なんかさせるものか！”や“文子はずっとお父さんの傍にいさせる！”という迷言（？）を残してきた人物でもある。そんな愛情がとんでもない形で暴走したことがあった為、文子は恋愛より仕事を取って生きてきたのだった。
「久しぶりだな。会いたかった～！！やっと帰ってこれたよ。日本に（笑）」
「いつ帰ってきたの？」
「昨日の晩。お母さんが文子にお見合いさせたって聞いて、もう～いてもたってもいられなくってな～。」
「そ、そうなんだ・・・。」
そんな話をしながら、２人は車に乗り込んだ。
