「今日ね、K大のヒトと合コンなんだけど人数一人足りなくて」





緩く波打つ黒髪を揺らしながら彼女は私を見つめていた。





「お願い。一緒に来て?」





甘ったるいしゃべり方で首を傾(カシ)げる彼女が何を考えているかなんて、





私には理解できなかった。





「どうして私なの?」





淡いピンクのルーズニットとレースのミニスカートをまとった春色の彼女は雑誌から出てきたモデルのようで、





「松井さんかわいいから。て理由じゃダメ?」





全身がほぼ黒色の私とは住む世界が違う。





「かわいくないよ」





「そんなことないよ」





そう言って彼女は微笑む。





その笑顔の裏側には何があるんだろうか。