「ごめん、リンゴ。言い過ぎた」





その手から伝わるのは、生きているということ。





彼女も、私も。





「………うん。大丈夫。なんかごめん」





だけど、彼は今も私を責め続ける。





いるはずのない東京の片隅で。





静まり返った大学の階段教室で。





ヒトに埋もれたシブヤの真ん中で。





真っ暗な私の部屋で。





あの踏切で。





「―――ハルキが見てる」




傷痕が今も、熱を持っている。