「フツーは友達を作ろうとか、サークルに入ろうとかするじゃん?」





毒々しいネオンのきらめきと通りを埋め尽くす人ごみが、私を急速に現実へと引き戻す。





「リンゴはそういうの拒否してる感じがしてたから」





「そんなこと………」





「リンゴはね、心に踏み込まないでってオーラ出してるんだと思うの。きっとそれは自己防衛なんだろうけど」





何も言い返せなかった。





「ごめん。ちょっと意地悪だったかな」





そう言って微笑むルリの裏側には、私に対するどんな感情が眠っているんだろう。





「でもね。リンゴと友達になりたいのは、ほんとの気持ちだよ」





ルリの微笑みは崩れることはなく、私にだけ向けられていた。





その貼り付いたような笑顔が、少しだけ怖かった。