アマモリ―――雨森ユウヤとは、家が隣同士だった。





と言ってもドラマやなんかによくある家族ぐるみの付き合いではなく、




家の近辺で同学年は雨森だけの、接点の少ない幼なじみだった。





「松井は、大学だよね？」





「うん」





「………成人式は？　帰った？」





けれど、その関係は中学に入ると変わった。





「ううん。帰ってない。雨森は？」





「ボクも帰ってないんだ。おじさんとおばさんは何も言わなかった？」





最後に会った時よりも雨森はおしゃべりだった。





「紗江にも、同じこと言われた」





「サエ？　ああ、日笠？　東京にいるんだ？」





「うん。たまに飲みに行く。………雨森も―――」