あれから5年が経った。 当時15歳だった私は20歳。 スーツを着てヒールのかかとを鳴らしながら歩く。 「……」 すれ違った男性に見覚えがある。 振り向くと、その男性も私の方を振り向いた。 「高木か?」 「菅原先生!」 数歩戻り、頭を下げる。 「お久しぶりです。私のこと覚えてくださっていて嬉しいです」 「高木以外にも、3年A組は全員覚えとるぞ。初めて俺を泣かせた奴らだからな」 そう言って微笑んだ。