げた箱前にはクラス分けの紙が貼ってあるからか、新1年生でにぎわっていた。



「宇海、おはよ!」


そんな明るい声が聞こえて、私はそちらを振り向いた。



「奏恵(かなえ)!おはよ」


親友の三嶋(みしま)奏恵。


黒髪ロングが綺麗で、大人っぽい見た目の通りしっかり者。



小学生から同じ学校に通っていて幼なじみに等しい。


だから、蓮くんのこともよく知ってるんだ。



「“蓮くん”人気だねぇ?」


奏恵はやけに蓮くんを強調して言ってきた。



「うん、びっくりしたよ……」


私は校門の方を見ながらも、そう返した。