ホントにからかいに来ただけなんだ…… 私が桃さんの背中を見ていたら、蓮くんが「ったく…」と呆れたような声を出した。 「母さん、勝手なこと言いやがって」 「……っへ!?」 「ま、宇海に離れていかれないように頑張るのはホントだけどな」 「えぇっ!?」 蓮くんが私をじっと見つめる。 「文化祭、楽しみにしとけ」 そう言って蓮くんは私にとびきりかっこいい笑顔を見せた。