「このスリッパ、ヤだなぁ…」 私はスリッパをパタパタ言わせながら廊下を歩く。 「俺も探すから!落ち込まないでね?」 松山くんに「ね?」と顔を覗き込まれて私は慌てて返事をする。 「う、うん!…ありがとう、松山くん」 私1人だったらパニックになって今頃、靴下でこの廊下を歩いていたかもしれない。 まだスリッパの方がマシかぁ… そう思うことにして教室へ入った。