「いってきまーす」



ゴールデンウィークはあっという間に過ぎて、また学校が始まる。



私はいつものように家を出る。



───バタン



すると、ちょうど同じタイミングで隣の家のドアの閉まる音が聞こえてきた。



「──…あっ!」



「おはよ、宇海」



蓮くんが私の家の前まで来てくれた。



「蓮くん、おはよっ」



こうやって普通に挨拶出来るのって嬉しい。



しかも、前と違うことは──…



「えっ……!」



私は驚いて自分の手を見つめる。