「新入生代表挨拶なんて、すごいね!」 私に話しかけてきた彼は、短髪で人懐っこい顔をした男の子。 「あ、ありがとう」 私は人見知りを発揮してしまって一言しか返せない。 「俺は、松山拳汰[マツヤマケンタ]って言うんだ。宇海ちゃんって呼んでいい?」 松山くん、すごく感じのいい人だなぁ。 「うん!よろしく、ね」 まだ緊張気味に話す私に、松山くんは少し笑うと『また後で』と友達のところへ戻って行った。