拓斗さんの声が聞こえたような気がしたけれど…


どうやらそれは気のせいだったみたい。


そう思った私は気になる事を拓斗さんに質問してみた。



「久し振りに会ったお友達はどうでしたか?」

「変わってなかった」

「そうなんですか。あ、でも相談って言ってましたよね。解決出来そうな相談でしたか?」

「まあ」



その一言にホッとしてよりいっそう身体を密着させた。


一ミリも隙間なんていらない。


空気も入る隙間がないくらいに抱き締められたい。


いつもの香りに混じり違う匂いがする拓斗さんは新鮮というよりは、拓斗さんなのに拓斗さんじゃないみたいに思えて、それにまたドキドキで。



「拓斗さん、目瞑ってください」



いつもより拓斗さんの帰宅時間が遅かったから?


私を少し大胆にさせるのは。


それくらい寂しかったということで、いいよね?