次はなにを考えてる?


こんな短時間で表情をコロコロ変える姿は見てて飽きない。


この先、飽きる日なんて来ることはないだろう。


――結果焦ってた原因を聞くと夕飯を作っていないというもので、俺が連絡がなく心配になった余り抜け出してきたという事には気付いてないらしい。


良かったよ。


こうして一時的に帰ってきたのは正解だった。


社会人として失敗でも、優子の夫として正解ならそれでいいと思う俺は駄目なのか?


こうして優子を抱き締めている時間もあと僅か。


その僅かをいかに堪能する事が出来るのか。



「ひゃっ」



優子の声が聞こえる。


どうやら無意識に俺は、優子の首元に唇を這わしていたらしい。



「擽ったいです」



擽ったいという優子に、優子らしいなと思い、そしてそのらしさが俺の歯止めを狂わせる。


こんな風にさせるのは優子だけだ…