「―…んぎゃ、ふぎゃあ」
背後から包み込むように優しく私を抱きしめ眠っている拓斗さんの手を、起こさないようにそっと退かしベッドからおりて側にあるベビーベットに近付く。
そして非常にご機嫌斜めの瞳子を抱き上げ連れて向かう先はリビング。
「うーちゃん早いよ…」
欠伸を噛み締め時計に視線を向けると、針はまだ4時をさしている。
「ママの事はいいけど拓斗さん…、パパを起こしちゃダメだよ?パパはね、とっても忙しいの。だから出来るだけ寝させてあげたい。分かってくれる?」
なんて伝えた所で瞳子が分かるはずなく、火のついたように泣きじゃくる。
小さな手足を動かし、小さな口を大きくあけて元気いっぱいに。
あの日誕生した瞳子は早いことにもうすぐ3ヶ月。
その3ヶ月の間を一言で表現するならまさに怒濤と日々といったもの。