封筒から取り出し土地だと分かった時は、ただただビックリして実感なんてなかった。
だけど、今拓斗さんに‘どこにもない俺達が住む家を造ろう’と言われた瞬間に浮かんだ。
拓斗さんがいて瞳子がいて私がいる家が。
頭に浮かんだ家自体はボンヤリしてるけど、笑顔だけははっきりと浮かんだ。
「泣かないの。ほらハンカチ」
「うぅ…」
どうして涙が出てくるのかな?なんて考えなくても答えはすぐに出てくる。
幸せだから。
そして、今以上の幸せが想像できたから。
「わ、たし…」
「あぁ」
「素敵なお家がいいです。拓斗さんと過ごす家だから」
世界に一軒しかないマイホーム。
とびっきり素敵なマイホーム。