〈あたしを愛してるって言って…?〉

〈こんな状況でなんでそんな事を言わなくちゃいけないんだ?他に大事なことがあるだろう〉

〈違うわ。こんな状況だからよ。何があってもいいように今あなたの気持ちを知りたいのよ。そんなのってダメかしら?〉



昼下がりのリビング。


私はソファーに座り食い入るようにアクション映画に見入っていた。


洋画ということもあり最初は字幕で見ていたけれど、吹き替えはどんな感じなんだろう?と切り替えてからは吹き替えのまま。


吹き替え担当の声優さんが私が小さい時に好きだったアニメの主人公を演じていた声優さんだったからか、急に親近感が沸いて変えられなくなった。



「――っ」



アクション映画ならではのハラハラに、呼吸をするのも忘れてしまう。


そしてもし私がこの映画のヒロインだった?なんてことも考えたりしたりして。