異空間扉の先は
吹き荒れる雨と風の吹く中。
周平は古びた民家が
立ち並ぶ狭い路地の中で
人に怯(おび)え
ひっそりとしていた。

何度もその場所を行き来しては通りすぎ。

スカウトし始めてから
2日目
雨の降る中
子猫を抱いた、
ひとりの少年と出会い……
狭い路地で震えて居たのをたまたま見つけ
話し掛けた。

「お姉さん……誰?
僕に何か用」

緑色の透き通った純粋な瞳黒髪の15歳くらいの少年がずぶ濡れになり、
座っていた。