「ごちそうさま」


   箸を置いてそういうと


   「ん、」


   と口をもぐもぐさせたまま返事らしきことをしてくれる


   素っ気ないんだか分からない彼は


   意外と甘党だったりする


   いつもブラックのコーヒーを苦そうに飲む


   「うわ、にげぇ」


   緑茶だってそう


   苦い、苦い


   って言いながら飲んでる


   「だったら、飲まなきゃいいのに」


   「ばか、緑茶飲むと癌になりにくいんだって」


   「ふふ、知らないよ」


   「だめたな、死ぬぞお前」


   知らなかっただけで死ぬとか


   恐ろしい飲み物だな


   「ほら」


   マグカップに緑茶という


   何とも言えない状態を差し出してくる