髪を撫でる彼の手に安心し


   暫くうとうとしてた


   「じゃ、俺行くわ」


   その声と同時に温もりが離れる


   体を起こすと


   「んふ、えろい」


   はだけた着物の前をぐっと寄せられた


   のんびりとした余韻から


   少しづつ覚めていくのが分かる


   「またね」


   目を細めて手を振れば


   襖の向こうに帰ってしまった



   
   再度布団にうつ伏せば


   まだ


   甘い香りが残る