「っ、……はい」 「よろしい」 苦しげに顔を歪ませ、奴隷は紳士のもつ鎖により立ち上がる。 そうして持ち帰ろうと。 「1億」 することなど出来なかった。 再びざわつき始めるショー内客。 紳士すら顔を歪ませ手をあげた若者を睨みつけた。 「もう遅い。これは私のものだ」 「じゃあ2億でどうだ」 貴族たちの中から進み前へ出てきた若者。 白衣を身につけ首にはヘッドフォンがかけられている。 そして照明によりきらきら輝くその金髪に、焦げ茶色の瞳。