*過去【出逢い編】


フラフラと町をうろつくミチル。

その目はまるで世界の傍観者のようだ。


自分は関係ない。
アタシはこの世界で生きていない。
この世界の、住民でいていいのか?


廃人のようにフラフラ歩くミチルの隣には黄色に近い金髪をなびかせるユウの姿が。



「ミチル、はやく移動するぞ。ここの空気はお前にとって害でしかないんだから」

「…うん」



笑うにしても微笑しかできない。

今はまだ、こうして笑うのが精一杯なんだ。笑うことさえ疲れたんだ。


そうして人の間を抜けてユウについていくミチルに一人の男性が近づいた。



「ねぇ、俺と楽しい時間でも過ごさない?絶対幸せにするよ」



それがアキラだ。