「魔死っ…?!どうしたの?!」

「嫌な予感がする」

「嫌な予感………?……っは!!魔死!!おりて!!」

「は?」

「いいから!!おりて!!」


魔死は渋々おりていったが、たまたま私は見てしまった。


茂みいる場所違いな綺麗な格好。するどい剣。魔死には見えてないだろうけどあれは魔女だ。


魔女の従者が私たちを探しいる…!!魔女は透明魔法を使っているが、それには欠点がある。


私は狐の妖怪。嘘を見抜くなんて簡単だ。だから少し目に力を入れると見えてしまうのだ。


だから、何もないのに茂みが動くことなんてありえない光景だ。


「魔死、あれは私が片付けるわ。魔死には見えていないから」

「わかった、頼む」


静かにおろした魔死は私を見守るように目を細めていた。何があっても助けるようにだろう。


「ふぅ……」


深呼吸をして、息を潜めソロリソロリと従者のところに近づいた。


ガザッ


「誰だ!!!」

「っ!!」


静かに近づくつもりが音をたててしまった!


こうなったら一気に片付けるしかない!


「狐火!!!」

「っっ!!!」





………………


……………あれ?


火は全くでず、ただ大きな声が響いただけだった。


「ふふ……姫?どうしたんですか?まさか妖力を?」


な、なによ!!そんな小馬鹿にする口答えは!!さっきまですごく身を構えてたくせに!!


「みなのもの!!姫をみつけたぞ!!」

「しまった!」


逃げないと!!いそいで茂みの深くに走っていくが、


「にがさん!!」


拘束魔法で体が石のように動かなくなってしまった。


「……っ!!」

「逃がしませんよ?元姫」


「魔希!!!」


魔死!!


「おや?おまえもノコノコと「黙れ!!」


魔死は翼をバサつかせ針のような鋭い羽を従者の心臓と喉とおでこを貫かせた。


その瞬間魔力がおちたのか、すっかり体が動くようになった。


「魔希!!乗れ!!今、城のもんが向かってる!!」

「うん」


いそいで魔死の背中にのり、この場所から遠い場所に逃げた。