「魔死…どこなの……?」


一人は嫌だ。とにかくここで座っていてなにもないと思ったから立ち上がると、


ここを歩いたのか、まだ新しい足跡がボロ小屋へと進んでいた。


とにかくその足跡に続いて走ってみると、ザクッザクッと雪かきをする音がした。


恐る恐るそれを覗いて見ると5人の遺体が順番に並べられており、その遺体を埋めるためなのか顔の整った男性が雪かきをしていた。


「魔死…!!」


思わず、抱きしめてしまった。それと同時に魔死から「おわっ!!」っと漏れる声がした。


「魔死!なんでおいてくの!!私も手伝うから!!」

「あぁ、悪い。ぐっすり寝てたからな。あと、あと少しで終わるからいいよ。子供たちをみといて」

「うん。わかった!」


いつもの変わらない声のトーンと顔でホッとしたのか、心が暖かくなった。


つれてきてよかった……。


心の底からそうおもった。しかし、気になることがあった。


「魔死、私たちどこに住むの?」


いくらなんでも、このボロ小屋はありえないだろう。お風呂はないしトイレなんてもってのほかだ。


「ここじゃダメなのか?」

「え゛?!ここに住むの?!」

「…?あぁ。そうだが気に入らんか?」


そうか…魔死は確か奴隷の身分だったからこのボロ小屋でも大丈夫なんだっけ?


私も早く慣れないと… !しかし、このボロ小屋にこのドレスは動きにくい。


どこか服屋はないだろうか?できれば魔死とお揃いの…!あ、いかんいかん。


「よし、できた。これくらいだろう。」

「おぉー!んじゃあ埋めよ!」


一人ずつ魔死といっしょに運び、5人入ったらまた埋めていった。


そこで魔死と手を合わし、魔死はボロ小屋の中へと入って行った。


すかさず小走りで魔死の後をついていきボロ小屋の中へ入った。