嘘、鬼よ。














私以外の人はみんな刀を抜き、臨戦態勢だ。



どうしよう。
抜くべきか…!?

私もそうするべきなのか?




まだ春だというのに額から汗が出てくる。




そうこう考えてるうちに、殺気はこの辺り一帯を埋めつくし町人たちは逃げるように去ってった。




「……」
「……」

双方無言。



ジャリと微かな足のすれる音がしたあと、どちらからというわけでなく、斬り合いが始まった。





「……っ」




私は刀を抜かずにそのまま立ち回る。

刀を抜いていない私は、かっこうの標的だ。



耳を、目を、塞ぎたくなるような惨い空気。




もう何人も斬りつけられている。


まだ死亡者は出ていないものの、時間の問題だろう…