「近藤さんが心配しておられる。」
近藤さんという単語にビクリとする。
あの人にも気づかれていたか…。
「世の中、理由がわかることよりわからないことの方が多い。
そう考え込んでいても結局無知な我等は分からないまま朽ちるのだ。」
……この、人は…励ましてくれているのだろうか…?
随分と不器用なことで。
……幕末の人々は暖かい。
勿論そうでない人もいるものの、現代の複雑な冷めた者よりも何千倍と心地いい。
コンクリートなんかより土の方が落ち着く。
やっぱり私はこの時代が好きなようだ…。
「それと、近々大きな動きがある…。
そんな状態では殺られるぞ」
斎藤が声を潜めて話した。
…まさか!もう池田屋の話になっているのか……?
まだ文久3年なはず…
いや、もう年は暮れるからそんな情報が入っていてもおかしくはないのか…?
にしても早すぎる…。
………歴史が変わった…?
まさかな…。
そんなはずは無い…。
私がいる時点で何らかの歪みが生じていてもおかしくはないが、そんなことで歴史が変わるか…?
私は池田屋についての話は一切してないし、触れてさえいないのだが……。
でも近々、何かが起こる。
そんな気がしている。
