嘘、鬼よ。













「おい、坊主。
ぶつかっといて詫びなしか?」


ぼーっと、していたため、立ち上がるのも忘れ男をみていたようだ。


男は、私を見下ろしながらすごい喧騒で睨んでいる。




しかし、その言いぐさ…。

まるで私が一方的に悪いみたいじゃないか。


ふざけるな。
私も前方府中ではなかったとは言いがたいが、少なくとも私だけの責任ではあるまい。

と、いうか、私のほうがしりもちをついて被害を被っているのだから、相手が謝るべきであろう!



こういう場合、大抵謝っとくのが一番なにもなく安全なのだろうが、私はそうもいかない。




曲がったことは大嫌いだし、私にだって自尊心というものがあるのだ。






ぶつかっといて詫びなしか?だと?
そっくりそのまま返してやるよ。


「お前が詫びろ。」


「は?小僧誰に向かって口を利いている!」



あ、なんか、お決まりのセリフっぽいな。

誰に向かって口を利いている!って、時代劇とかありそう。



ヤバイ笑える。