「そうだな。
でもなんでそんな事聞くんだ。
もしそれが本当だろうと嘘だろうと、お前には関係ないだろう。」
あまり聞かれては困るのか、小さな声で話し出す原田。今から声を潜めても遅い気がするのだが…
「気になったからだ。
とりあえず決行日を教えてくれ。」
「邪魔しないか?」
ほら、一番口が軽い。
「邪魔しない。」
「5日後だ。」
……早いな。
「三冷、言っとくがお前はダメだぞ。
危険だからな。絶対来るなよ。」
行くつもりなど毛頭ない……とも言い切れないが…
「どのような計画なんだ。」
「別に計画ってほどのもんじゃねーよ。
酒飲まして寝込みそのまんまグサッと行くだけだ。
詳しい配置やらはいってもしょうがねぇからいわねーけど。」
そう、か。
…私はなにに動揺してるんだ?
芹沢とは数回顔を会わせたことがある程度で、なにも思い入れなどない。
なのに……
「どした?」
「いや、何でもない。
頑張れ。」
「おう。」
死…
それに直面したことがないといえば嘘になる。
実際この目で死体を見たことは一回だけある……。
だからそれがどういうもので、どんな現状になるっていうのもわかってるはずなんだ。
この時代でいきると言うことは、そういうことなのだろう。