「奴は、別にどうでもいい。
そのうち忘れて、ヘラヘラしだすから。」



「さすが、三冷くん。
わかっていらっしゃる」



「その、三冷くんってのいうの止めろ。
わざとだろ。
それと、そんなことを話すためだけに、私の所に来たのか?」





「あぁ!!!!
そうそうそうそう!忘れる所だった!」




忘れていたの間違いだろ。



「お前ぇーー、平隊士の間で噂になってるぞー。」


は?
「なんの?」



「相当な女たらしって」





…………ハ???



ちょっと、待って。

……ハ????




「原田、お前それ本当だと思っているのか?
仮にも私は女だぞ」




「いやー、お前が女ってことぐらいわかってるさ。
でも、そういう趣味なら俺は止めないぜ。」




「残念ながら、そんな性癖は持ち合わせていない。」



どこのどいつが、そんな噂を……


そいつ見つけたら缶詰につめて、缶けりしてやる。

最後は美味しく火であぶる。



「お、お前!
怖いこと考えてたりするなよっ!!
顔が怖いぞ!!」



「塩、みりん、胡椒。あとは醤油で味付けしたら美味しいだろうね。……人間詰め。」



強火で表面をこんがり焼いてから、弱火でじっくり中まで火を通してやる



「ひぃ、なに考えるんだよ!!」




「ああ、悪いな。」





「う、うん。
………そっか。そうかー。
ちぇ、女たらしが嘘なら、あれも嘘かなぁ。」



あれ?


「なんだ、まだあるのか?」




「いやあね、西園寺三冷が巡察の時に忍の美しい女を落とそうとしてたって平隊士が。」






……、あのときの忍か。



「え、何!?
これは事実だったりするの!?」


「んな訳あるか。
助けたお礼がしたいと言われ、少し世間話でもしただけだ。
お前みたいな下心など微塵もないわ。」






向こうはどうだったかは、知らないけど…





「へぇー、人気な男は辛いですなー!
あ、三冷くんは女の子でしたっけ?」


「刺すぞ。」