「……うっ」



悪いな沖田。



「「沖田さん!!!」」


私は、まだ死にたくないもんで。



「「「沖田さぁぁあん!」」」







「心配するな。気絶させただけだ。
あ腹一本逝ったかもしれないが、気にするな。」



同じ巡察の平隊士が必死に倒れた沖田を抱き起こす。




別に腹に一発お見舞いしただけで、殺したわけじゃない。





野次馬は更に集まって、面倒なことになってる。


当事者の男はというと、まだ腰を抜かしていた。



「ほら。」


「ひぃぃ!」



私が手を差し出すと、鬼でも見たかのように怯える。

いや、実際鬼か、あれは。



「男だろ。立て。」






無理に手を引っ張り立たせて、落ちていた刀を男の鞘に戻してやった。






「女に刃は向けるもんじゃないから。
命の重みを知れ、馬鹿が。」




そう毒づいてみた。


でも本当はこれ、沖田に言いたかったんだけど。




私が無意識に沖田のことで相当睨んでいたのか男はそのまま逃げてしまった。






びびりだな。あいつ。






さて、一件落着か?




「「「沖田さぁぁあん!!!!」」」






そうでもなかった。