嘘、鬼よ。















走って声の方へと向かうが何せいりくんでいるため見つけにくい。



「嫌!!」

恐らく先程の声の人物とおぼしき女の声がこだまする。




近いか!?





後ろから、私達が走ったのに気付いておってきた同じ巡察の声がする。





その声を無視して
先程の大通りの一本隣にある裏通りの方へと足を進めると、軽くギャラリーができている塊があった。



彼処か。










私が近づくと、嫌な視線を向けて道を開ける町人たち。



新撰組の羽織を羽織っていればみな敵ということか?






野次馬の中心には、男と女が言い合っていた。


女の声は確かに先程聞こえてきたものだ。






「どうしてくれるんだ!!」


「すんまへんってば!!」


「一張羅だぞ!?弁償だ!!」


「なにいってはりますん!?そちらも悪いでしょが!!
言いがかりは、やめてください!!
こちらは、謝ってるやないの!!!」






なるほど、女が男の一張羅を汚してしまった。

しかし、どちらにも非があるにも関わらず、男が突っ掛かってくる、という状況かな。




なんか、大丈夫そう?

私達が出る幕ないんじゃないか?


男はいたって普通の武士だし、女も気の強そうな人だから、言い合ってるだけだしほっといても大丈夫なんじゃ…